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「知っている」と「実践する」の間

 健康の為には野菜を食べた方が良い、ダイエットにはカロリーを摂り過ぎない方が良いなど、分かっている情報は多くても、実践している方が大半かと言うと、そういうわけでもありません。理想的な生活は理解していても毎日の生活の中で実行に移す「時間がない」「お金がかかる」など、「知っている」と「実践する」の間にはいくつものハードルがあります。そこにあるのは意識の低さ・意志の弱さではなく、生活に落とし込む際の何気ない環境のハードルです。

 そこで、現実的に出来ないことを「こうした方が良いですよ」と伝えるだけではなく、「多くの方々が無理せず取り組める方法は何か」を考え、ひとつでも実践していただける術をお伝えする、というのが私たちの役割だと思っています。今回は忙しい時に利用しやすいコンビニでも食塩を減らす方法を考えてみました。

コンビニで驚いたこと

 最近、コンビニで「低糖質」「◯日分の野菜を使用」など、健康を意識した商品を見かけるようになりました。カロリーやPFC比という炭水化物・脂質・たんぱく質の割合に着目すると栄養バランスを整えやすくなってきた反面、なかなか「減塩」の商品は目にしません。

 以前、500円以内を予算に、コンビニのご飯で栄養バランスの良い食事は摂れるのか?気になって動画にしてみた事がありました。値段もまあまあネックでしたが、「野菜」「食塩」がなかなか難しかったという印象でした。

 恐ろしい…と思ったのは「野菜◯日分使用!」と書いてあり、パッと見、野菜も多く彩りも良いあんかけ焼きそばの商品があったのですが、裏面に書いてあった食塩相当量が6.27g。
1日の目標量が男性7.5g 女性6.5g(日本人の食事摂取基準(2020年版))なので、一食で摂ってしまうには多い量だという事が分かります。
逆に、一般的に鮭おにぎりや明太マヨおにぎりは食塩が多いイメージがありますが、通常のおにぎり(1個で食塩相当量 約1.3g前後)よりも食塩が少なく、2個で食塩相当量0.94gと少ないものもありました(おにぎり1個の大きさは同じ)。

 商品には大抵、栄養成分表示がしてあり、食塩相当量も記載があります。裏面などちょっと見にくい部分にある場合もありますが、ヘルシーそうなのに見かけによらずな商品もあるので「栄養成分表示を確認して選ぶ」というのは一番オススメしたい選び方です。まずはいつも食べている商品の食塩相当量を確認してみる、また、味に迷ったら食塩相当量の少ない方にしてみる、という事から始めてみましょう。

カップ麺は悪?

 カップ麺が体に良いという印象がある方は少ないと思います。理由はなぜでしょうか?化学調味料が入っている、炭水化物の割合が多い、脂質が多い、野菜がほぼない、など理由は様々あるとは思いますが、一番は食塩の量だと思います。めんとスープを合わせて食塩相当量が3.0g以内のカップ麺はほぼ見かけません。逆に言うと、汁を残せばある程度は減らす事が出来ます。汁を残せば問題ない!とまでは言えませんし、食べる頻度が高い方は少し減らすことをオススメしますが、他に選択肢がない場合、忙しい時、たまに頼る際は「汁はなるべく残す」ようにして召し上がって下さい。

 また、コンビニのドレッシングやソース、タレなどは必要な量より多く入っている場合が多くあります。汁だけでなく、ドレッシング・ソース・タレなども、使う量を半分にする、1/3にするなど、ちょっと控えるだけで食塩摂取量を減らす事ができます。

カット野菜

 手軽に摂れる野菜として人気のカット野菜。コンビニでも売られています。
 カット野菜を食べておけば生野菜の栄養が全部摂れているのかと言うと、そういう訳ではありません。切りたての野菜よりも栄養は劣ります。市販されているカット野菜は一般的に食中毒防止の為に、製造の過程で次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸されています。次亜塩素酸ナトリウム溶液自体は悪いものではなく、この「水に浸される」工程でビタミンCなど水溶性のビタミンが減ってしまいます。しかし、食物繊維は摂れるので、食べるメリットはあります。
 カットしたての野菜が一番良いですが、「食べないよりは食べた方が良いもの」として取り入れていくのがオススメです。

 コンビニのごはんは一般的に野菜が少なめ・食塩が多めであると知った上で、「なんか体に良さそう」で選ばず、栄養成分表示を確認して選ぶ。さらにドレッシング・タレ・汁がある場合にはなるべく残す、というのが簡単にできるオススメな方法です。サラダなどの野菜も足せたらその方が良いですが、毎日の事になると値段的にちょっと負担が…となるのであれば、昼食で無理に足さず、その分スーパーで生野菜を買っておき、朝食や夕食に食べる方が現実的です。ミニトマトやきゅうりなどは洗ってそのまま食べられるので料理をしない方にもオススメ。



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