「◯◯が体に良い」と話題になるとスーパーで売り切れる

以前「納豆がダイエットに効く」とテレビで話題になり、翌日スーパーの納豆売り場がガラ空きになっていた事がありました。

「これを食べれば健康!」「これを食べれば痩せる!」という食品があれば新しいブームが起こり盛り上がるわけですが、何でも適量があり、食べ過ぎてしまえば逆効果になります。「体に良いらしい」と聞いて食べてみる前に、最適な方法を知って取り入れる事が必要です。

何かを足したら何かを引く

健康意識の高い方の食事でたまに聞くのは、野菜不足にならないよう「青汁」を飲み、腸活のために「ヨーグルト」を食べる。ビタミン摂取のために「フルーツ」を食べ、カルシウムのために「牛乳」を飲む。イソフラボンを摂りたいから「豆乳」を飲み…と、どんどん食べる量が増えてしまう食事。「体に良い食べ物」と言っても一食には適量があり、限度を超えて摂り過ぎてしまうと「体に良い」とは言えなくなってしまいます。牛乳とヨーグルトは乳製品同士なので取り入れるならどちらかにしたり、牛乳と豆乳も一日おきに交互に取り入れたりして全体量が増えないように気を付ける事も大切です。

体に良いとされて手軽に取り入れやすいキムチ。発酵食品なので腸には良い影響を与えますが、漬物の仲間で食塩が多いので「生野菜」だと思って摂り過ぎてしまうと食塩を多く摂り過ぎてしまう要因に。食べる際には少量ずつにしておくのがオススメです。また汁物と漬物は食塩が多いもの同士なので、キムチを食べる際は汁物は控える、汁物を食べる際は漬物はやめておくなど調整して取り入れると良いです。

バランスが重要

体重を減らそうと思った時に「低糖質ダイエット」をやってみた事がある方もいると思います。いつもの食事から白ご飯を減らしたり、あるいは抜いたりして、その分おかずを増やす。結果的に食事の総エネルギー(カロリー)が減れば体重は減るのですが、この食事には生活習慣病の観点から見て注意点があります。それは「食塩が増えやすい」こと。

白ご飯は食塩が含まれていませんが、おかずには基本的に食塩が含まれています。そのため白いご飯を減らし、その代わりにおかずの食べる量を増やすと、食塩摂取量が増えてしまいます。体のためにせっかく減量しても、心臓や血管に負荷がかかったり、血圧が上がったりして健康に影響が出てしまっては、元も子もありません。

間食や飲酒量を減らす事が一番ですが、食事を摂り過ぎていて減らしたい場合にはご飯だけ減らすのではなく、ご飯もおかずもそれぞれ少しずつ減らす(全体量を減らす)方が栄養もバランス良く摂れて、食塩摂取量が増えてしまう心配もなくオススメです。

食塩量だけでは判断できない

体に良いイメージがあるけど実は食塩が多いものの一つに「ノンオイルドレッシング」があります。だからと言って「ノンオイルドレッシングは食塩が多いので避けましょう」と言いたいのではありません。なぜなら、ノンオイルドレッシングの方が普通のドレッシングに比べて油が無い分、野菜に絡まりにくく、同量を使用しても結果的に口に入る量が少なくて済むことが多いからです。しかし、これも難しいのが「食べ方による」部分がある点。下に流れたドレッシングに野菜を浸しながら食べてしまうと、絡まりにくさに関係なく分量を多く摂ってしまうことになります。

そのためオススメしたいのは「ノンオイルドレッシングは分量を控えめに使用する」こと。野菜に絡まりにくいので、最初から量を少なく使用すれば無駄もなく、食べ方に関わらず食塩を多く摂ってしまう心配もありません。ドレッシングの油を気にされる方は特に、ノンオイルドレッシングを控えめに使用する事を心がけてみて下さい。

血圧を下げる?食品

「血圧を下げる食品」と言われる中に「そば」が挙げられる事があります。そば自体にはルチンやビタミンPと呼ばれる心臓疾患や動脈硬化、高血圧など、生活習慣病の予防に役立ち、高血圧の改善や血糖値の回復作用があると言われる成分が含まれています。しかし、そばを食べる際に「そば」だけ食べる方は少なく、麺つゆと一緒に摂る場合が多いと思います。問題なのはこの麺つゆの方で、少量で食塩が多く、気を付けないとせっかくそばを食べているのに逆効果になる場合があります。

一般的な一人前のざるそば(つけつゆ)の量で食塩を比較します。(※ 食塩量:文部科学省「食品成分データベース」めんつゆストレートより算出)

一人前(150cc):食塩量 4.9g
半分量(75cc):食塩量 2.5g
1/3量(50cc):食塩量 1.7g

半分量は一人前に比べて-2.4g、1/3量は一人前に比べて-3.2g削減ができます。かなり大きい差です。

家で用意する場合には麺つゆは少なめに。外で食べる場合にも予め麺つゆを少なめにしてもらったり、別の器に移させてもらったり、なるべく残すようにして食べたりすることで控える事ができます。

それぞれ違う

「これを食べれば血圧が下がる」「これは食塩が少ないからいくら食べても大丈夫」などの食品があれば楽だと思いますが、そうは言えないのが悩ましいところ。ですが逆に言うと、食塩が多い食べ物でも量や食べ方に気を付ければ「食べてはいけない」という事もないのです。そんなところを前向きに捉えて頂いて、今回ご紹介した内容などを少しずつ生活に取り入れて健康的に過ごして頂けると嬉しいです。動画ではクイズ形式でオススメの取り入れ方をご紹介しています。ぜひご視聴いただき、クイズに参加してみてください。



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