和食は健康食

よく「和食は健康食」と言われます。野菜や海藻類、大豆製品が多く使われ、ビタミン・ミネラル・食物繊維などの様々な栄養素を摂取しやすい、健康に良い発酵食品を摂りやすいなど、健康に良いポイントが多くあります。

例えばこちらの食事が食卓に並んでいたら、どういう印象を受けるでしょうか?

ご飯 1膳
味噌汁 1杯
漬物 10g(たくあん3切れ)
塩鮭(甘口)1切れ
納豆 1パック
ほうれん草のお浸し 1皿

恐らく、多くの方が「体に良さそう」という印象を受けると思います。しかし、食塩量を計算してみるといかがでしょうか?

ご飯 1膳 0.0g
味噌汁 1杯 1.3g
漬物 10g(たくあん3切れ) 0.4g
塩鮭(甘口)1切れ 1.4g
納豆 1パック 0.6g
ほうれん草のお浸し 1皿 0.9g
食塩量 合計 4.6g

日本人の食事摂取基準(2020年版)では一日の食塩摂取目標量を男性:7.5g、女性:6.5gとされています。その為、一食で4.6gを摂ってしまうのは多いことが分かります。これが和食の注意点の一つ。「食塩が多くなりやすい」という点です。

もちろん和食には他の魅力的な健康ポイントがたくさんあるので、食塩を摂り過ぎないよう気を付ければ是非オススメしたい食事です。今回は和食の食塩を控える簡単なコツとオススメレシピをご紹介していきたいと思います。

和食で食塩を減らす簡単なポイント

食塩を控えても美味しく仕上げる為には、大きく3つのポイントがあります。このポイントを抑えておくと「薄味で物足りない…」という感覚は軽減でき、逆に調味料で隠れていた食材本来の味を感じやすくなります。

1.香りを活かす

かつお節やすりごま、ごま油、にんにく、生姜など香りが強いものを加えると味を濃く感じやすく、食塩少なめでも気になりにくくなります。ミョウガ、ニラ、ねぎなどもオススメ。にんにくや生姜などは臭み取りの為に料理の序盤で使われることも多いですが、加熱により香りが飛びやすいので終盤に入れる方が香りを活かしたい場合にはオススメです。副菜などシンプルな料理に少し足すのがオススメです。

2.旨味を活かす

玉ねぎや長ねぎ、トマト、白菜、ベーコンなど食材自体の旨味が強いものを料理に加えると、旨味や甘みが加わり美味しくなります。野菜の旨味を最大限引き出すには中火弱でゆっくり加熱することもポイントのひとつ。強火で一気に火を通すよりも、中火弱でゆっくりと加熱した方が、野菜の旨味が引き出されやすいと言われる50〜60℃の温度帯をゆっくり通過できるので、旨味が増します。肉料理や汁物で特にオススメです。

3.隠し味

しょうゆだけで味を付けていたものを少し減らし、ケチャップやオイスターソース、豆板醤などコクが強い調味料を少し加えるなどもオススメです。ケチャップは洋食で使うイメージが強いですが、元はトマトなので意外と和食にも合います。今回ご紹介しているレシピの中にも隠し味としてケチャップを使うものがあるので、ぜひ作って味わってみてください。

食材の香りを味わう!素材を活かす和食ごはん

和食の食塩を減らすポイントを使った、食塩3g以下に収まる一食分の和食レシピをご紹介します。生姜焼きは動画にて詳しい作り方とポイントをご紹介中!簡単なので、ぜひ作って味わってみてください。

<材料 各2人前>
食塩相当量 一人当たり2.9g
(減塩しょうゆ、減塩みそを使うとさらに一人当たり2.2gに減らすことができます)
・白飯 2膳
・具沢山みそ汁
  水 300cc
  かつお節 6g
  長ねぎ 1/2本
  人参 1/3本
  みそ 大1弱(16g)

①かつお節のだしを取る。(鍋に湯を沸かし、かつお節を入れて1~2分弱火で煮る。火を止めて1~2分待ったらすぐにザルでこす。)

②長ねぎは小口切り、にんじんは千切りにしてかつおだしに入れる。

③フタをして中火弱で煮る。

④火が通ったら最後にみそを溶き入れて火を止める。

ポイント:みそは最後に加え、加熱し過ぎないことでみその香りを残すことができます。野菜を多めに入れて水分を多くしないのも食塩控えめにするポイントです。中火弱で煮ることで野菜からの旨味アップ!

・生姜焼き
  豚小間肉 200g
  玉ねぎ 1/2個(100g)
  醤油 小2
  みりん 小2 
  ケチャップ 小1
  生姜 20g
  キャベツ 100g

①キャベツは千切り、生姜はすりおろし、玉ねぎは薄切りにする。

②豚小間肉に生姜半分、玉ねぎを合わせて揉み込む。

③フライパンを中火で温め、②を入れて炒める。

④火が通ったらケチャップ、しょうゆ、みりんを加えて絡める。

⑤火を止め、最後に残り半分の生姜を加えて混ぜる。キャベツを添えて皿に盛る。

ポイント:旨味が強い玉ねぎを薄く切ることで旨味が出やすい!隠し味にケチャップを加え、コクアップ。生姜は臭み取りのためと香りを足すために2回に分けて加えるのがオススメ!

・小松菜とベーコンのさっと炒め
  小松菜 1袋(200g)
  ベーコン ハーフ4枚
  醤油醤油 小1
  かつお節 適宜

①小松菜は茎の部分を4cm長さ、葉の部分は1cm幅、ベーコンは細切りにする。

②フライパンにベーコン、小松菜の茎を入れて炒める。

③こんがりとしたらしょうゆを加えて絡め、葉の部分を加えて30秒程度混ぜる。

④火を止め、最後にかつお節を混ぜる。

ポイント:ベーコンやかつお節が入っているのでシンプルですが旨味たっぷり!香りを活かすため、かつお節は火を止めてから最後に加えます。



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