茨城県民は、生活習慣病による死亡率が全国平均と比べて高く、県ではそれらの要因である高血圧、高血糖を予防するために、適正な食塩相当量・エネルギー量・野菜量のメニューを広く普及することを目的とした「ヘルシーメニューコンクール」を2011年度から実施しています。
今年度は、栄養学科のある大学や専門学校の学生、学校の栄養教諭、管理栄養士、食生活改善推進員協議会員など栄養・食のスペシャリスト達が考案したヘルシーメニュー計168点の応募があり、厳選なる審査を経て茨城県内ヘルシーメニューの頂点(最優秀賞1点、優秀賞5点)が決定しました。
レシピも掲載していますので、ぜひご家庭や社員食堂などで作ってみてください。
最優秀賞
まんぷく!まんぞく!健康御膳

考案者:杉浦 瑠菜 さん
学生(茨城キリスト教大学)
主菜:シャキシャキれんこんのはさみ焼き
エネルギー:640kcal
食塩相当量:3.0g
野菜量:175.5g
●レシピのポイント
カロリーを抑えつつ食べ応えのあるメニューにするために、主菜の鶏ひき肉にえのきを混ぜました。すまし汁にはたくさんの緑黄色野菜が含まれていて、栄養満点です。また、トマトの冷やしおでんは、塩分を抑えることを意識し、出汁の旨みを活かして食塩不使用で仕上げました。こんにゃくは低カロリーでありながら満足感が得られる食材です。茨城県産の美味しいれんこんや小松菜、ミニトマト、にんじんなどの野菜がふんだんに楽しめます。
杉浦さんコメント
「トマトの冷やしおでん」は、手作りの出汁とトマトの酸味を生かし、食塩を使用しなくても満足感が得られるように工夫しました。将来は管理栄養士になりたいと思っています。どんな人でも、体調を気にせず楽しく食事を楽しめるようなアドバイスができるようになりたいです。
優秀賞
地元野菜たっぷりのおふくろ定食

考案者:勝村 恵子 さん
利根町食生活改善推進員協議会
主菜:鶏と野菜の黒酢あん
エネルギー:604kcal
食塩相当量:2.6g
野菜量:166g
●レシピのポイント
地元野菜をたっぷり使った定食です。煮豆でおなじみの黒豆ですが、利根町では米と炊き込んで食べる郷土料理になっています。主菜の鶏と野菜の黒酢あんは、調理工程が少なく、フライパンひとつで手軽に調理できます。また、黒酢のコクで減塩もできる一品です。年齢を問わず好まれ、温かみが感じられるスタイルに仕上げました。
勝村さんコメント
地元利根町の食材を盛り込んだ料理を心掛けました。鶏肉、豆腐、黒豆などタンパク質をしっかり摂取できるメニューなので、減塩しても満足感がある献立に仕上がりました。
優秀賞
視覚と味覚で楽しむ華やか定食

考案者:石黒 遥 さん
学生(つくば栄養医療調理製菓専門学校)
主菜:野菜と豆腐の肉味噌炒め
エネルギー:831kcal
食塩相当量:2.8g
野菜量:151g
●レシピのポイント
赤・黄・緑の食材が様々な料理に入っていることにより、見た目の良い食欲のそそられるご飯に仕上げました。豆類、いも類、きのこ類などを使い、ビタミン類も十分に摂取できるメニューになっています。大豆製品やカルシウム、鉄分を多めにすることで、子どもの成長に必要な栄養素を補うようにしました。キウイフルーツを飾り切りでお花にしたことで、見た目の華やかさが増すようにしました。
石黒さんコメント
見た目が華やかだと食欲がそそられるので、色鮮やかにすること、きれいに盛り付けることなどを意識しました。季節に沿った、栄養価の高い食材を使用しています。
優秀賞
からだよろこぶ 腸活(カツ)ランチ!!

考案者:新堀 亜由美 さん
学生(鯉淵学園農業栄養専門学校)
主菜:豆腐入りメンチカツ
エネルギー:792kcal
食塩相当量:2.5g
野菜量:178g
●レシピのポイント
ごはんは精白米ではなく雑穀米で、ビタミンも補います。メンチカツには豆腐を加え、ヘルシーに。味付けは発酵食品の味噌を使用し、長ネギ、しょうが、にんにくがたっぷり入った薬味ソースを添えています。コールスローサラダにはヨーグルトを使用することで、さっぱり、かつ腸活に必要な善玉菌を摂取できます。腸活スープは、飲みやすいトマトベースのスープに、食物繊維たっぷりの野菜と、県の特産品である納豆を加え、ちょっと変わった味に仕上げました。
新堀さんコメント
仕事や家事などで忙しい人も簡単に取り組めるよう、「混ぜるだけ」「和えるだけ」などシンプルな作業で作れるメニューを考案しました。腸活にぴったりな食材もふんだんに用いています。
優秀賞
季節の食材たっぷり!IBARAKIヘルシーランチ

考案者:海野 あゆみ さん
栄養士
主菜:焼きさばのトマトカレーソースがけ
エネルギー:764kcal
食塩相当量:2.4g
野菜量:176.5g
●レシピのポイント
秋冬を背景とした茨城県産の食材をふんだんに使用し、一品一品飽きのこないよう、香りづけや出汁、素材の旨みを生かしながら味付けをすることで塩分を抑える工夫をしました。そして、満足感を得るために、食材の食感を残すようにしました。
海野さんコメント
使う食材の特性を生かすことを意識しました。サバの持つ臭いを抑えるためにトマトを活用したり、ご飯に柚子を混ぜて香り豊かにしたりするなど、誰もが食べやすい献立に仕上げました。
優秀賞
茨城を味わういろどり美味しおランチ

考案者:寺門 由佳 さん
栄養教諭(笠間市友部中学校)
主菜:カリ!シャキ!いばらきガパオライス
エネルギー:682kcal
食塩相当量:2.0g
野菜量:180g
●レシピのポイント
茨城が生産量トップをほこるれんこん、卵などを使った茨城の味力(みりょく)がたっぷりつまった「いばらきガパオ」を参考に、県産食材にこだわり、食べやすい味付けに仕上げました。さつまいもとれんこんを素揚げし、ご飯にもれんこんを加えることで、カリカリ・シャキシャキ感を味わえます。また、大豆ミートを使用することでヘルシーになり、食物繊維を多く摂れるよう工夫しました。 サラダのドレッシングはお酢を使って薄味が気にならずに減塩できるように仕上げ、スープは春雨を入れて満足感が得られるようにしました。
新堀さんコメント
たまねぎやにんじん、れんこんなど道の駅や直売所などで手軽に購入できる食材を意識して選びました。また、作り置きできる献立にすることで、日常的な野菜の摂取量が増えるよう工夫しています。
令和6年度ヘルシーメニューコンクール2次審査の様子

10~50代の10名がヘルシーメニューコンクール2次審査に参加

制限時間90分で、各自が考案したヘルシーメニューを調理

揚げ物や煮物などを取り入れる参加者も

できあがったメニュー

5名の審査員が、材料の使用量、おいしさ、アイデアの斬新さ、材料の入手・料理のしやすさ、総合の5項目について審査
受賞された皆さん、おめでとうございます!また、たくさんのご応募ありがとうございました。受賞作品のレシピ等をまとめたリーフレットは、県内のスーパー等で配布予定です。県庁2階「県庁生協食堂カフェテリアひばり」において、2025年2月12日に最優秀賞作品を定食メニューとして提供しました。同年9月には優秀賞作品の一部を定食メニューとして提供予定です。ぜひ食べてみて、レシピを参考におうちでもおいしいヘルシーメニューを作ってみてください!

ヘルシーメニューコンクールの主な応募条件
- ●食塩量 3g以下
- ●エネルギー 600~800キロカロリー程度
- ●野菜量 150g以上180g以下(うち、緑黄色野菜40g以上) ※野菜量にいも類、果実類、きのこ類、海藻類等は含めない
- ●材料費 500円以内
- ●調理時間 90分以内
- ●主食・主菜・副菜が揃っていること
- ●県産食材を1品以上使用すること
- ●献立に牛乳などの飲み物は含めない